明けましておめでとうございます。

　村民の皆さまにおかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。また、日頃より本村の行政運営に対しまして、ご理解とご協力を賜りまして心より感謝申し上げます。

　昨年を振り返り、世界に目を向けてみますと、2月にロシアがウクライナへの全面的な侵攻を開始し、プーチン大統領は、ウクライナ東部での特別軍事作戦の実施を宣言しました。ウクライナ軍は、南部や東部で領土の奪還を進めていますが、未だ終息の見えない状況であり、ウクライナ侵攻に端を発した資源の高騰により、電気料金やガソリン価格の上昇だけではなく、製造コストや輸送コストの上昇分の製品価格への転嫁により、消費者物価全体の上昇が続いています。

　このような中、7月にアメリカオレゴンで行われた世界陸上では、男子20km競歩で山西選手が金メダル、女子やり投げで北口選手が銅メダルを獲得するなど、2003年のパリ大会に並ぶ過去最高タイとなる4つのメダルを獲得しました。そして、記憶に新しいカタールで行われたサッカーワールドカップでは、日本が、予選リーグで優勝候補のドイツやスペインを次々と撃破し、決勝トーナメントへ進出、クロアチアと激闘を繰り広げ、PK戦の末、惜しくも敗れましが、日本に勇気と感動を与え、まさに「ブラボー」な大会となりました。

　国内においては、新型コロナウイルスの累計感染者が、昨年末までに2700万人を突破しました。ワクチンを接種した人も増え、感染しても重症化の割合は減ったものの、「デルタ株」や「オミクロン株」など新たな変異株を生みながら、依然として感染の減少と拡大を繰り返しています。年末から年始にかけ、帰省客等の往来も増え、インフルエンザとの同時流行も懸念されます。引き続き、今後の感染状況を注視するとともに、感染症対策と経済活動を支える施策に取り組んでまいります。

　また、悲惨な出来事としては、7月の参院選の終盤に、奈良市で街頭演説をしていた安倍元首相が背後から撃たれ亡くなり、世界に衝撃が走りました。9月には、日本武道館で、戦後の首相経験者としては2人目となる国葬が執り行われました。　

　村内では、令和2年7月豪雨災害からの復旧道半ばにして、9月に襲来した台風14号では、道路、農地や林道施設等において、多数の被害が発生し、特に江代千ケ平地区と川口地区で、生活用道路となる村道や橋梁が被災し、周辺住民18世帯31名が長期非難を余儀なくされています。被災されました皆さまにお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く安心して元の生活を取り戻すことができますよう、熊本県の権限代行による災害復旧を進めてまいります。

　一方で、コロナ渦で延期となっていた第1回となる「球磨川リバイバルトレイル」では、水上村から八代市まで、球磨川沿いの山々100マイル(約160kmを走る球磨川コース等に、約400人のトレイルランナーが参加、同じく第1回となる「奥球磨駅伝」には、実業団、大学、高校の部に49チームが参加し、襷を繋ぎました。

　村民の皆さまの栄えある話題としては、元消防団長の藏座幸一氏が消防功労による「瑞宝単光章」を受章されました。本村にとっても栄誉なことであり、心からお祝いとお慶びを申し上げます。また、12月には古川フクエさん(古川)が満百歳を迎えられ、長寿祝い金の贈呈を行いました。長年にわたり、家族や地域のために頑張ってこられたことに心から感謝を申し上げます。

　現在、本村では、農林産品の生産、加工、販売を一貫したプランのもとに事業展開するため、「水上村産業推進機構」を立ち上げ、経済のトレンド確立を進めており、昨年取れたての村産米500袋(ヒノヒカリ)を、高齢者施設や幼稚園に給食サービスを提供している企業に、初めて出荷することができました。今後、更に安定した供給と流通拡大に努めてまいります。

　今年は、最優先課題である令和2年7月豪雨災害、台風14号災害からの復旧・復興と、新型コロナウイルス感染拡大防止、そして、地方創生のさらなる推進に取り組んでまいります。引き続き、村民の皆様方のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

　結びに、令和5年が平穏で、村民の皆様にとりまして、健康で幸多き年となりますようご祈念申し上げまして年頭のご挨拶と致します。

　　　　　　　　　　　　　　令和5年　元日